日本酒イベントの問題点

 ほぼ毎週のように、全国各地で、日本酒イベントが開催されている。
 僕は、できるだけ都合を付けて日本酒イベントに参加しているし、企画することや、取材協力をすることもある。
 なぜなら、楽しいからだ。新しい発見や出合いもある。

 先日参加したイベントのレポートはこちらから→『岐阜の地酒に酔う2016 in大阪』

イベントの参加方法

 こういったイベントは、「飲み比べ」形式がほとんどだ。
 参加方法は、大きく分けて2パターンある。
 その概要と、参加者の気持ちを考えていこう。

お猪口1杯ずつを購入する方法
 数枚つづりのチケット制のことが多く、1杯100円~300円くらい。
 →お得に、いろいろな種類の日本酒を飲み比べたい!

事前に決められた参加費を払う方法
 時間内であれば、どれだけ飲んでも同じ料金。3000円前後が相場だろうか。
 →元を取りたい! 自ずと早いペースになりがち。

日本酒イベントの問題点とは?


 上の写真は、イベント後の様子だ。
 みんなが行き交う通路で、嘔吐されている。
 救急車のお世話になることも少なくない。

 これが問題なのは自明である。

 ちょっと厳しい言い方をするけど、「もう、ええ大人やろ!」って思う。
 お酒が強い、弱いがある。
 いろいろなお酒が格安で飲めるから、全部飲みたい気持ちもわかる。
 たまたま体調が良くないけど、仕方がなく参加しているかもしれない。

 わかる。わかるよ。
 でも、それを踏まえた上でもう一度言う。

「もう、ええ大人やろ!」

酔ってはいけないのか?

 では、酔わずに、まるで平然を装っているのがマナーなのか?
 そんなわけはないし、そんな、しょーもないことは言わない。
 お酒を飲み比べに来ているし、それ相当の量も飲む。
 少なくとも僕は酔うし、気分が良くなったり、饒舌になったりもする。
 だけど通路で嘔吐することはないし、救急車で運ばれるなんて以ての外。

 100歩譲って、仲間内で飲むのならまだしも、イベントには、イベントを作っている人、その他関係者がいて成り立っている。蔵人さんも来られていることがある。
 そういった人の前で、こうなってしまっては失礼極まりない。
 いい気分になるために手間暇かけて造られたお酒が、悪い気分にさせてしまい、しかも捨てられる(吐かれる)姿を目の当たりにするなんて、そんな悲しいことはないよね。
 
 日本酒イベントのほとんどは、「飲み放題イベント」ではなく、「飲み比べイベント」なのだと認識しよう。
 楽しいイベントを作りだすのは、参加している自分たちなのだ。

泥酔しないための三ヶ条

 泥酔しないための対処法をご紹介する。とは言っても、ごく当たり前のことだ。
 だけど「当たり前のことを当たり前にできないことが問題」なのだと知ってほしい。

積極的に和らぎ水を飲もう
 大抵のイベントでは、和らぎ水が用意されている。お酒の1.5倍~2倍は飲むように心掛けよう。
 用意されている分では足りない場合もあるので、万が一に備えてペットボトルでミネラルウォーターを持参するのがオススメだ。
 なにより、途中で口をリセットさせることで、おいしく飲み比べることができる。

限界まで飲もうとしない
 食欲で言えば、満腹を目指すのではなく、腹八分の気分で。基本的な精神として、たくさん飲まないとモッタイナイって考えるより、無理して吐いてしまったほうがモッタイナイって考えよう。
 そこの必死さは、かっこ悪いよね。

体調と相談しながら飲む
 自分のコンディションがわかるのは自分だけ。体調が優れないのなら、2,3杯だけを狙い撃ちしてみるのもおもしろいし、ほんのちょっとだけ注いでもらうことも可能だ。
 以前、イベントで老夫婦に声を掛けられ、「これとこれは、どう違いますか?」と聞かれた。もうどちらも飲む体力がないと判断して、僕の感想を参考にしてくれた。めちゃくちゃカッチョイイよね。

お詫びと感謝

 今回書いたことは、日本酒イベントに参加したことがある人なら、共感していただけるお話だろう。
 これをお読みいただいているほとんどの人には、耳の痛い話だったと思う。
 しかし、日本酒を好きな人全員に、関係のある話だ。

 僕は、お酒は「それぞれが、それぞれの飲み方をすればいい」と考えている。飲み方を制限されるなんておかしな話だと思うし、たまに、やけ酒をすることだってある。

 その一方で、こういった問題を解決していかなければ、日本酒イベントの未来はないとも思っていて、ひいては日本酒の未来も危ぶまれるのではないだろうか。

 一部のマナーが悪い人がいることで、素直に日本酒を楽しめなくなる。
 排除すればいいなんて、簡単な問題ではないし、きれいごとに思われるかもしれないが、できることなら、そういう人たちとも、きちんと楽しく日本酒を飲み交わしたい。

 だから僕らにも、まったく関係のない話ではないのだ。
 僕にできることは、このようにブログなどの媒体を通して、疑問を提起したり、思いや考えを伝えていくことだと自負しているが、そういった人たちに直接的な働きかけができているのかと問われると、首を縦に振ることはできない。

「この問題を解決するために、どうしていくべきか?」

 みなさんにも考えていただきたいというのが、僕の本音です。
 耳の痛いお話で申し訳ありません。
 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 僕たちは、ただ、おいしい日本酒を、楽しく飲みたいだけなんだ!

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